4 / 36

第3話

「ご苦労。褒美に、混じっていかないか」  へ、とイナスは小さく笑った。  魅惑的なお誘いだが、ナガ国王と3Pなどごめんだ。  いつ機嫌を損ねて首をかかれるかと冷や冷やしながらでは、セックスも何もあったもんじゃあない。 「せっかくですが、遠慮いたします」 「そうか。残念だな」  まるで残念そうでない声色の返事の後、ナガは言葉を継いできた。 「お前の好きそうな玩具なんだが」  そう言うと、半身を返してナガはにやけた顔をむけてきた。  脚の間にうずくまっている小さな体が、わずかにのぞく。  その髪を引っつかむと、ナガは乱暴に引きずり出しイナスに見えるように前に打ちやった。  思わず飲んだ息を、悟られただろうか。  動揺を、気取られただろうか。  答えの見えぬまま、イナスはすぐに皮肉っぽい笑みを口元に貼り付けた。

ともだちにシェアしよう!