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第4話
リーン。
同僚の、魔闘士としての姿はそこにはなく、目の前にいるのはただ無力な稚児だ。
「お前、そこで見ているがいい」
「お戯れを」
「冗談だと思うか?」
ナガの声には威圧的な響きが含まれており、イナスは従うしかなかった。
血まみれの甲冑のまま突っ立っているイナスを前に、ナガはリーンの細い体を嬲り始めた。
口づけなどという甘い前戯はなく、ナガはリーンの体をむさぼるように蹂躙していった。
派手な音を立ててしゃぶり、吸い付き、淫らにその体を拓く。
時折激しく歯を立てるたびに、リーンの体は引き攣った。
だが、決して声をあげない。
喉の奥でうめくことがあっても、リーンは決して声をあげなかった。
唇を噛みしめ、眼を硬く閉じ、必死で耐えている。
そうするように、ナガに申し付けられているのか?
そんな風に思わないこともなかったが、次第にイライラし始めたナガの姿を見ると、どうやらそうではないらしい。
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