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第8話

 では、なぜナガに逆らうんだ?   体を開きながらも、その心まで開かないのはなぜなんだ?  圧倒的な強さを誇るナガ。  この俺でさえ、その力の前には屈するというのに、弱いはずのリーンが必死で反抗している。  浮かび上がってきた思いを捨て去るように、イナスはぶんぶんと首を振った。  あいつは弱いんだ。歩兵ごときに犯されるくらい弱いんだ。  俺はリーンより格上なのだ、と今一度心の中で繰り返す。  それでも、胸の中のもやりとした感情は消えない。  消えないどころか、ますます膨れ上がってゆく。  歯を食いしばり、ナガの陵辱に耐えるリーン。その姿が、消えない。

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