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第15話
声もなく涙を流し、時折しゃくりあげるリーンの髪を、イナスはそっと撫でた。
毛布を、その体に掛けて素肌を隠した。
なんてこった。
さすがに、精通もまだの男児を犯す趣味はない。
それと同時に、これまでリーンを散々慰み者にしてきた大人たちを心の中で罵った。
ほんの今しがた、乱暴に凌辱したナガを呪った。
あんまりじゃねえか。
泣き疲れて、やがてそのまま眠ってしまうまでイナスはリーンの傍にいた。
毛布から覗く白い肩には、ナガによってつけられた痛々しい痕が残っていた。
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