16 / 36

第15話

 声もなく涙を流し、時折しゃくりあげるリーンの髪を、イナスはそっと撫でた。  毛布を、その体に掛けて素肌を隠した。  なんてこった。  さすがに、精通もまだの男児を犯す趣味はない。  それと同時に、これまでリーンを散々慰み者にしてきた大人たちを心の中で罵った。  ほんの今しがた、乱暴に凌辱したナガを呪った。  あんまりじゃねえか。  泣き疲れて、やがてそのまま眠ってしまうまでイナスはリーンの傍にいた。  毛布から覗く白い肩には、ナガによってつけられた痛々しい痕が残っていた。

ともだちにシェアしよう!