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第11話

 「教室にお前の元カノといた時、俺は別にヤろうとしたわけじゃねぇ。あっちが勝手に誘ってきて勝手に雰囲気をつくってきただけだ。お前には悪いけど、あっちが勘違いしてただけだし、第一あの女は俺の好みじゃない」  「....」  那智は呆然とした様子で湊の話を聞いていた。    ― なんだよそれ...。俺は一体何のためにフラれたんだ。  「まぁ、どんな理由があろうとお前がフラれた事は変わらない事実だがな」  「うっせぇ!」  苛立った感情のまま怒鳴り、キッと睨む。    - てかさっきから会話の弾みがパターン化してるな。  那智は眉間に寄る皺を伸ばすように揉む。  と、いうことは今俺の元カノは俺を振り、そして湊にフラれ彼氏がいない状態であるということになる。  「ふむ。だったら、あいつなら俺のとこに戻ってくるな...絶対」  「何急に。てか自意識過剰じゃない?」  「違う...わかるんだ。あいつのパターンならそうなる。俺は断固できるぞ」  無駄にこれまでモテてきたわけじゃない。俺だって女の行動パターンはいくつか攻略している。  「さすがモテ男だな。だったら何、付き合う気かよ」  湊はそういうと俺に鋭い視線を送ってくる。 あの時の約束を思い出させるかのように。  「んなわけねぇだろ!あいつが戻ってきたら即行で俺からフッてやる!」  しかし俺は湊の疑いを顔をブンブンと大きく横に振りながら全力で否定する。  元カノとよりを戻すなんてこと、那智にとってありえないことだった。しかも元カノは俺にとって初めてプライドを傷つけた人間だ。  「湊のことはムカつく。だが、あの女のことだって俺はムカついてんだ」  「それはそれは」  俺がベッドの上に立ちあがりギャーギャーと騒いでるのを見て湊は先ほどまでの冷たい表情を崩してクスクスと笑い始めた。

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