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第22話

 「てきとうに荷物とか置いて」  「あぁ。てか、お前こそ意外に部屋がきれいでびっくりした」  部屋の中はとてもきれいでモノトーンな、シンプルな家具がいくつか置いてあった。  「あぁ、よく女子とか連れてくるから一応な」  湊は何とも性格の悪そうな笑みをしながらそう言った。  その理由は俺が湊に前、言った言葉と同じもの。  「...嫌味かよ。それとも何、自慢?」  ムスッとして答えると湊はそんな俺を見てクックと笑ってきた。  「すぐ拗ねてガキみたいだな」  「ガキ!?は?俺はガキなんかじゃ――うわっ」  言い返そうとした瞬間、急に頭をガシガシとされ上擦った声が出た。  「ここに女を連れてきたことなんて一度もねぇよ」  「...別に、そんなことどうでもいいしっ...て、何だよその頭の上にある手は!!」  湊に言われた言葉を聞いてなんだか嬉しくなる。そして頭に手が触れ、やけにもどかしい気持ちになる。  「いや、なんか触り心地が予想以上に良くて...あと、低いなって思って」  「なっ!うるさい!お前が高すぎるんだ!だぁっ、もう手離せ!」  低いって言ったって一応俺は平均身長以上はある。背は高い方の分類...こいつは...高すぎなんだ。  「はいはい」  そして湊の手は俺の頭から離れていった。  離せとは言ったが、それがどうにも惜しく感じてしまった。  「...って、俺は一体何考えてんだよ...っ」  「何が?」  「な、なんでもない。それよりも勉強だ勉強!」  誤魔化すように無理に話を変え、本題へと向ける。 そして置いてある机の前に腰を下ろした。 不思議そうな顔をした湊だったが、それから特にそのことに触れることもなく那智のすぐ横に腰を下ろした。

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