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第24話

 「今日はこれぐらいにしとくか」  「疲れたあぁーっ!」  湊のその一言を聞いて俺は机の上に倒れこんだ。  時計を見ると19時半を回っていた。帰ってきたのが夕方ころだったから随分とやっていたようだ。  「お前、結構できんじゃねぇか」  「俺はやればできる子なんだ」  ...といったものの、実際は湊のおかげだったりする...こいつは予想以上に頭が良かった。...ムカつく。  「なぁ、なんか甘いのないのか?」  ずっと勉強をやっていたからか、甘いものが食べたくてしょうがなかった。  「お前甘党なのか?」  「まぁね~。で、ないの?あと、飲み物」  「ずうずうしい奴だな。...確か冷蔵庫にケーキがあった気がするけど...」  「まじで!?食べたい食べたい!食べさせてーっ」  ケーキという言葉に俺は目を輝かせて湊にねだった。ケーキなんて大好物だ、図々しいのは承知して是非ともいただきたいものだ。  「分かったって。じゃあ取りに行くの手伝って」  「りょーかい!」  さっきまで疲れてくたくただったのに湊の言葉に那智はスクッと軽々と立ちあがった。  「現金な奴」  その姿を見て湊はクスクスと笑っていた。  部屋を出て1階へ行くと、誰かがいるようで電気がともされていた。  「あ、帰ってきたんだ。多分、ばばあだよ」  「ばばあ?」  湊は何ともなしにそういい居間につながる扉をガチャリと開けた。  ふわり、と甘い香りが鼻を掠める。

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