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第46話※

 「湊のことは...考えるな。考えたって気分が悪くなるだけだし」  「...」  俺がそう言うと那智は唇を噛むのをやっと止めてくれた。切れて傷がついたりしたら嫌だったのでそのことについてはとりあえずホッとした。  「だーーっ!もう、湊のこと考えないわ!今日はお前ん家に泊ってストレス発散する」  そのまま那智はベッドに横になり、顔だけを啓吾の方に向けてきた。  無言で顔を見てくるその視線になんだか気恥ずかしくなり目線を下げてコクンと頷いた。  那智が泊ることについては何ら問題はない。むしろ泊っていってほしいぐらいだし。  「じゃあ、布団持ってくるわ」  「おーう。あ、でも今日は俺がベッドな。啓吾は布団」  「りょうかい....って、え!な、那智がベッドなの」  那智が...俺の、俺がいつも使っているベッドで...。  何だかんだ言って昼寝ぐらいだったら俺のベッドを那智が使うことはあったが、本格的にベッドの中に入って一晩眠るということをしたことはなかった。  「だってよ、いつも思ってたんだけどなんかいい匂いするんだよな。お前のベッド。だからぐっすり眠れるんだ」  「い、いい匂い...」  クンクンと匂いをかむ那智に啓吾は素で固まった。それはもう、色々な意味で。  「そうそう。いつもここで昼寝とかしたら本当ぐっすりね」  「わ、分かった。じゃあ今度こそ俺は布団取りに行ってくるから、」  「いってらっしゃーい」  徐々に熱くなっていく顔はきっと赤くなっているはずだ。そんな顔を見せないよう俺はすぐに部屋を後にした。  その日の夜遅く、那智が眠りについてから変に興奮気味になってしまった俺が、色々と妄想をしてしまいトイレに駆け込んだのは言うまでもない。

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