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第47話※

 それからすぐのことだった。俺に一つ目の不幸が訪れたのは。    その日那智は妙に機嫌がいい様子だった。  どうしてそんなにいいんだと聞くと、那智は「子分ができた」と嬉しそうにそう言ったのだ。  そこまでは賛成ではないが別にショックとかそんなのはなかった。  でもその子分の名前を聞いて啓吾は一瞬頭の中が真っ白になる。  湊 琉依...那智は確かにそう言っていた。  俺の中で警報が鳴った。  ―湊と那智を近づけさせてはいけない、と  だけどあまり言い過ぎても変に勘繰られると思い啓吾は少し抑え目で反対した。  しかし結局那智の考えを変えさせることはできなかった。  頑なに意見を聞こうとしない那智にこちらが折れてしまったのだ。いつもそうだった...那智と反対の意見をしても最後には啓吾が折れて話は終わる。  それから那智が大声で湊のことを貶していると、気配を感じ取るよりも先に那智の目の前に湊が現れた。  「...っ」  その時湊は啓吾を一瞥し、口角を上げた。  こいつは俺のことをあまり好いていない。いや、むしろ嫌っているんだと思う。  「そう言えばお前、那智から女とったんだって?」  「あぁ、だけど取ったっていうかあっちが勝手に俺のとこに来ただけだけどな」  湊はいけすかなく笑んでいた。  あっちから勝手に来た、だと?ふざけるな。どうせ那智に関わろうと思って自分から女に近づいていったんだろ?  湊のことを睨んで罵って暴言を吐きたい...だけど那智の前でそういうことはしたくなかった。  那智の前では俺の...悪い部分はあまり見せたくなかったから。  だから俺は湊がここいる間、表立っては変化を見せなった。  でも確実に心の中には嫌な気持ちが降り積もっていた。

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