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第60話

 先程までの指とは比べ物にならないほどの圧迫さに息がつまり、狭いそこに無理やり捩じ込まれる痛さに止まりかけていた涙があふれ出た。  「い゛ゃ、ぁ...痛...い、っ!無理、だ...っ、入んねぇ、よ...」  尻の穴は襞が伸ばされるほど広げられミチミチと音がなり、啓吾に犯されてる恐怖を一層煽った。  「ん...締まり、ヤバいっ、那智の中...すごく気持ちいい」  ゆっくりと挿入しながら啓吾は那智の背に覆いかぶさり、肩口に顔を埋めてきた。  「い゛た...い、お願...抜い、て...っ」  涙を流しながら懇願するが啓吾は「あともう少しで全部」とだけ言って抜こうとはしなかった。  啓吾のモノは奥に入っていくたびに大きさを増し、その形をなぞるかのように中がはりついた。  その形が妙にリアルに分かり、体は軽く震えた。  そんな中、ついに自分の腰に啓吾の腰が当たった。  「那智...全部入ったぜ?」  啓吾のモノの根元まで全てが中に入っていた。那智は身体的精神的に疲労し、息は切れ切れになり常に吐き気がこみ上げる。  男に...しかもずっと一緒にいた幼なじみに犯され、鋭い痛みが体を貫く。  「動くよ...那智、」  「ま、待って、あ...あ゛あぁっ、ひっ...ぅ、」  那智の制止も聞かず啓吾はゆるゆると腰を動かしてきた。  その行為に今度こそ裂けてしまうと思い、那智の中の恐怖は一気に膨れあがった。  「那智...那智、那智...」  「ひっ、い...あ、あ゛ぁっ、」  啓吾はただただ那智の名前を呼び続け、深いゆっくりとした挿入を繰り返す。  なんで...何で啓吾はこんなことをするんだ...  ―裏切られた、  その一言が頭に浮かぶ。那智は啓吾を大切な幼なじみだと思っていた。だから何かあったら頼って、頼られて...信頼していた。  そんな那智の気持ちを啓吾は踏みにじった。  殴って蹴って終いには女の代わりをしろ、と犯される。  お互いにお互いを大切に思いあってると思ってたのに。  - でも本当にそう思ってたのは最初から俺だけだったのか...?お前にとって俺との今までの関係は全部うそで、どうでもいいことだったのかよ...

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