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第62話

 「うるさい...っ、」  「ひ...っ、あ、ん...、あぁっ、やめ..」  “湊”その言葉を口にした瞬間、啓吾は苛立った様子で那智のものを握り、荒々しく扱きながら内壁を酷く掻きまわしてきた。  「う、あぁ...っぁ、んんっ...イ、く..っ」  啓吾は捩じ込むようにして幾度も激しく腰を打ち付け、最奥を穿つと同時に那智の性器の先端を爪で抉った。  「うぁ...っ、ぐっ...!」  瞬間、目の前がチカチカとして、押し出されるようにして白濁を自分の腹に吐きだした。  するときゅうっ、と後ろが締まり啓吾は少し呻き那智の中に打ち付けるかのようにして吐精した。  ―  ――  ―――  あれから何度ヤッたのか分からない。 何度もイき、そして何度も中に出された。体は疲れ切っていて微塵も動かない。  制服も中途半端に脱がされたままだった。 情事が終わって、啓吾は自分の処理だけするとそのままそんな那智のことを放っておいて一人、教室の扉の方へと歩いていく。  「...お前なんか、嫌いだ。大嫌いだ」  憎しみのこもった目で鋭く啓吾を睨みあげる。 すると啓吾は扉に手を掛けたまま立ち止まった。  「あっそ、」  それだけ言い、啓吾は一人那智の前から去っていった。扉が閉められ、あたりには静けさが立ち上る。  「...クソっ...なん、なんだよ...っ、」  悲しさ、悔しさ、怒り...そんな感情が溢れ出てくる。  「バカ野郎...」  しかし、立ち止まった時の啓吾の最後の表情が忘れられなかった。  扉のガラス窓で反射して見えた啓吾の顔は酷く歪められていて、今にも泣いてしまうのではないかというほど苦し気な表情をしていた。  - 散々俺にあんなことをしておいて、なんであんな顔してんだよ...  すでにボロボロになってしまっていた那智は、今の気持ちをどう表せばよいのか分からず、また一人頬を涙で濡らした。

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