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第69話※
啓吾と初めて出会ったのは中二になりたての頃。
俺は中学の時、一部の男子生徒からイジメられていた。
理由は簡単...俺自身の性格が一番の原因だった。
人と話すのが苦手で内気...根暗でもあった。上手く意見もいうこともできないし、何かあればいつもオドオドしてしまう。
しかし入学当初は女子からさわがれ、周りからはもてはやされていた。
だが、俺の内面を知っていった周りは俺から離れていき、挙句の果てに男子生徒からは“妬み”を発散するかのようにイジメられ始めた。
そしてその中の一部のグループは俺に暴力を振るうようになった。
でも俺は自業自得なんだと自分を責め、いじめられても仕方がないと諦めていた。
そんな俺を同じクラスだった琉依が見るに見かねて何度もいじめられているところを助けてくれた。
―琉依は俺ではなくいじめてきた奴だけを責めていた。
俺のことは一切責めてこなかった。だから俺は琉依に甘えてしまった。
自分の悪いところは直さずにただただ助けてくれる琉依に縋っている...正直ラクをしていた。
そのうちに俺も、俺自身は悪くない。悪いのはいじめてきたあいつらだ。と思うようになっていた。
そんな中、俺は中二になり、春を向かえた。
しかしある日琉依が家の用事で一度学校を休んだ時があった。するとそれをチャンスとばかりにいじめっ子たちは俺を学校の裏に呼び出した。
普通ならばここで行かないのが一番なのだが、弱虫な俺は行かなかったことによる報復が恐くなり、暴力を振るわれるとわかっていて放課後に1人学校裏に行った。
「久しぶりだね、望(ノゾム)君」
裏の茂みに行くとグループのリーダー格の1人が厭味ったらしく俺の名前を呼んできた。
その方向を見ると5~6人の男子生徒がそのリーダーの前田の周りに集まっていた。
「...ひさし、ぶり...」
ガサガサと音を立てながら男子生徒達が俺の方へと近づいてくる。
その間も俺は恐怖でガタガタと手を震わせていた。
「今日はお前のヒーローさんもいないから、今までの仕打ち、一気に返してやろうと思って呼んだんだぜ?」
「っう゛!」
俺の目の前に来た前田はガシ、と前髪を掴み無理矢理引っ張って顔を上向かせてくる。
今までの仕打ちって...そんなの俺をいじめてきたお前らが琉依にやられてたんだろ。
そう心の中で叫ぶが、実際に口には出さない...いや、出せない。
「今日はお前のことなんてだぁーれも助けてなんかくれないな」
「うぐっ、」
前田の言葉とともに左頬に鈍い痛みが走る。すぐに殴られたんだとわかった。
そしてそのまま殴られた勢いで地面に尻もちをついた。
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