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第5話
「私の名は、ナハト。人間界では、ヴァンパイヤなどと呼ばれている眷属だ」
「吸血鬼……!?」
「そうとも言うな」
圧し掛かってくるナハトを拒もうと塁はもがいたが、体が思うように動かない。
「さあ、儀式を始めようか」
真悟の姿のナハトは、大型犬用の首輪を取り出した。
ご丁寧に、重そうな鎖まで付いている。
「一体何を……」
有無を言わさず塁は鎖に繋がれ、ナハトの虜となった。
ナハトが鎖を引くと、塁の身体がつんのめる。
ベッドに胡坐をかいた彼の内股に、ばふんと顔を埋めることとなった。
見上げると、真悟の顔で笑って見せるヴァンパイヤ。
「ご主人様に、奉仕しろ」
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