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第33話

「何とも暑苦しいセックスだ」  呆れた第三者の声に、二人はようやく思い出した。  そういえば、ヴァンパイヤが。  ナハトが一部始終を見ていたのだった! 「ど、どうだ。人間同士のエッチは。これが、人間の愛ってヤツだ!」  減らず口を叩く真悟の頬は、少し赤味を帯びている。  長ったらしい前戯。  心地悪く上昇する体温。  人間同士のセックスに、ナハトは辟易していた。 「私は、そういうセックスをしたいとは思わん」  だが、今まで見てきたどれよりも、塁は悦い表情をしていた。  死すべき運命を持つ人間の放つ、まぶしい表情をしていた。

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