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第二章・2

「待たせたな」 「いえ」  二人の間に、異なる粒子がちりちりと爆ぜるようだった。 「涼宮先生、あなたは何者ですか?」 「単刀直入に来たな、天使候補生のリン」  なぜ、それを!?  やはりこの人は、ただ者ではない。  輪は、警戒した。 「教えてやってもいいが、条件がある」 「何でしょう」  君の羽を、と比呂士は言った。 「君の翼を、広げて見せてくれないか」 「翼を」  そうすれば、私の正体も明かそう。  軽く挑むような、まなざし。  輪は、それに応えた。

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