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第二章・4

「あ、悪魔……!」 「我が名はヴェルフェル。覚えておいて損はない」  それで、と今度は輪が挑むような眼を比呂士に向けた。 「その悪魔・ベルヘルが、この人間界に、学校に何の用です?」 「ベルヘルではない! ヴェルフェルだ! ちゃんと発音しろ!」  ごめんなさい、と輪は素直に謝った。 「日本語にすっかりなじんでしまって」  口ごたえのない所は、さすが天使候補生だ。

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