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第二章・5

 まあいい、と比呂士は腕を伸ばした。 「こちらも単刀直入に言わせてもらうが、目的はお前だ。お前が、欲しい。この手に」  その言葉に、輪は赤くなった。 (まさか、初対面の悪魔に告白されるなんて!)  比呂士の、ヴェルフェルの欲しいものは彼の美しい翼なのだが、こう言われては勘違いしても仕方がない。 (神よ、これも僕が天使になるための試練なのでしょうか!?)  応えてくれる者はいないので、自己判断するしかない。

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