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第二章・8
「このカードで、占おう」
そう言って比呂士は、ポケットからタロットカードを取り出した。
「山本、カードに手を乗せろ」
「こう、ですか」
山にしたカードに山本が手を置いた。
そして比呂士はおもむろに、そのカードをシャッフルして並べた。
一枚ずつめくっては、頷く比呂士。
生徒たちは皆、魅入られたようにその姿に釘付けになっていた。
やがて、全てのカードがめくられ、比呂士は宣告した。
「山本。残念だがお前のシューズは、中庭の池の底だ」
「ええっ!?」
一番驚いたのは、輪だった。
僕の眼でも解らなかったのに!
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