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第二章・10

「涼宮先生、僕ちょっと相談したいことがあるんですけど」 「どこかで聞いたセリフだ」  また屋上か、と問うと、今度は指導室で充分です、と来た。  二人は揃って生徒指導室へこもり、向き合った。 「実は、隣のクラスでもいじめがあっていて。そのいじめられている子と、僕は友達なんですけど」 「今朝のように、私に裁いてみせろ、と?」  そこまではいきませんが、とやけに殊勝な輪だ。 「ただ、助言が欲しくて。彼、相当思いつめてるんです」 「例えば?」  輪は、思いつく限りのいじめを述べた。  靴を隠す、弁当をこっそり平らげる、赤点の答案を掲示板に張り出す、体操服をびしょぬれにしておく……。

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