22 / 159
第二章・12
「おぉ、これぞ美の結晶。至高の純白の羽」
頬ずりし、顔を埋め、モフる。
「やめてください、くすぐったいです!」
そこへ、もう一人屋上へあがって来た者がいる。
輪は素早く翼を隠した。
「誰だ?」
お楽しみを邪魔された比呂士は不機嫌だったが、輪は緊張した声を上げた。
「山本くん!」
山本は二人に気づかないまま、真っ直ぐに防護柵へ近づいてゆく。
そして、ためらいもなくその柵をよじ登り始めたのだ!
「羽も無いのに飛ぼうというのか」
「違います! 山本くん、いけない!」
輪は、山本の傍へ走った。
ともだちにシェアしよう!