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第三章 儀式

「入れ」 「お、おじゃまします……」  輪が比呂士に連れて来られたのは、意外にも人間界のマンションだった。  相当、高価そうな住まいだ。  内装も調度も、洗練されている。 「涼宮先生は、お金持ちなんですか?」 「私は大悪魔・ヴェルフェルだぞ。人間界で換金できるものなら、魔界にいくらでも持っている」  そう言って、比呂士は傍の木箱から無造作に、宝石の類を掻き出して見せた。 「凄い」  輪は、眼をぱちぱちさせた。

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