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第三章・7

 比呂士の舌は執拗に輪の舌に絡まり、刺激を与えてくる。  それでも輪は、意地で応えなかった。  ただ硬直し、咥内の蹂躙に耐えた。 「たいした強情者だ」  口づけを諦め、比呂士は呆れたように輪の髪に手をやった。  くせの強い髪を指先に絡めて遊びながら、もう片方の手をいきなり胸元に這わせた。 「あ、あぁっ!」 「ここはどうだ? 好きではないか?」  小さな桃色の乳輪を、唾液で濡れた指先で撫でられる。  ぬるぬると滑る指先は、時折その中心の乳首を押した。 「ん、んッ!」  こぶしを握り締め、瞼を固く閉じて輪は耐えた。  それでも、ぞくぞくと沸き上がって来る奇妙な願望を止めることはできなかった。

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