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第三章・8

 さっき、咥内で蠢いていたあの舌先。  あれがもし、胸に降りてきたとしたら……。  ぶるり、と輪は首を振った。 (そんなこと考えちゃ、ダメだ!) 「今、邪なことを考えただろう?」  輪の思いを読んだかのように、比呂士の唇がその小さな乳首を捉えた。 「あ、あぁんッ!」 「感じているな? 体は正直だ」  お前の可憐なニップは紅く染まり、勃起しているぞ。 「や、めて! 離して!」 「言葉責めは、性に合わんか」  比呂士は輪の乳首をひたすら舐め、甘噛みした。  強く吸い、中心のくぼみに舌先をねじ込んだ。 「や、だぁ。う、うぅ。ッく……」 「存分に泣くがいい。涙は情事のスパイスになる」

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