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第四章・5
「紅茶のお替りはいかがですかニャ?」
「え? あ、いいえ。もう結構です」
返事をしてから、輪は気づいた。
今の声は、比呂士のものではない。
この住まいに、誰か別の人が?
その人が、この見事な朝食をこしらえたのだろうか。
「何かあったら、お言いつけくださいニャ」
ね、ネコ!?
中型犬ほどある大きなネコが、二本足で立っている!
「しかも、大勢いるし!」
「騒がしいな。ネコがそんなに珍しいか」
「ネコが、立って、喋って!」
そして家事をする、と比呂士は微笑んだ。
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