50 / 159
第四章・6
「これも、あなたの魔法ですか?」
「魔界と人間界を行き来できる妖魔も、私の使い魔にはいるからな」
このネコたちも、先生の使い魔。
じゃあ、油断はできないな、と輪は考えた。
しかしそれには、比呂士は否定の声を上げた。
「勘繰るな。こいつらは、家事専門。お前に何の害も及ぼさんよ」
ネコたちは、実に働き者だった。
給仕をし、食器を片付ける。
その間に別のネコが、シーツやピローカバーを洗濯する。
「ヴェルフェル様、ベッドメイキングが終了しましたニャ」
「ご苦労。下がってよろしい」
比呂士がそう言うと、ネコたちは小さな木彫りの人形に変化し、棚におとなしく並んだ。
ともだちにシェアしよう!