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第五章・9
そのまま眠りに就いてしまった輪の体を、比呂士は清めてパジャマを着せた。
「これでは昨夜と同じではないか!」
主に後始末をさせる所有物など、聞いたことも無いぞ。
ぶつくさ言いながらも、壊れ物を扱うように大切に輪の体を清めてやった。
「まあいい。全ては、この美しい羽のためだからな」
しかし明日も、体がだるい、と学校を休んでは困る。
「学生の本分は、勉学だからな」
比呂士は、輪の体に疲労回復の魔法を、ちょっぴりかけてやった。
「う……ん……」
「可愛い声を出す奴だ」
そのまま隣に横になり、その細い小さな体を抱いて寝た。
昨晩よりさらに、輪への好意は深くなっていた。
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