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第六章・3

「だから、14日の2日前から準備しているのか」 「トリュフは明日の放課後、こっそり机の中に入れておくつもりなんです」 「何ッ!?」  ということは、今夜中に160個のトリュフを作り、箱に詰め、包装をする気でいるのか! 「それで、今いくつ出来てるんだ?」 「20個です。結構、難しくて」  比呂士は、また気が遠くなった。  そんなスローペースでは、徹夜しても間に合うまい。 「そうだ! 比呂士先生、手伝ってください!」 「私がか!?」  お願いします、と頭を下げられると、嫌とはいえない。 『涼宮先生』が、『比呂士先生』に変わるに至るまで、比呂士と輪の仲はずいぶん深くなっていた。

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