75 / 159
第六章・7
「ヴェルフェル様、お夕飯の準備ができましたニャ」
「ご苦労」
さあ、まずは食え。
比呂士は、輪をキッチンへといざなった。
「今夜は冷えるので、おでんにしましたニャ」
「ネコさん、こんな短時間に、よくおでんができますね」
輪の疑問に、ネコは胸を張った。
「我々も、立派な魔族。多少の魔法はお手の物だニャ!」
輪は、肩身が狭くなってしまった。
大悪魔の比呂士先生は、強大な魔力を持っている。
その使い魔のネコさんたちも、有能だ。
(僕だけ、何にもできない……)
ともだちにシェアしよう!