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第六章・10

「トリュフ160個、完成しましたニャ!」  比呂士が風呂から上がった時に、そんなネコの声が聞こえてきた。  リビングから、拍手が上がる。 「ありがとう、ネコさんたち! お礼を言います! ありがとうございます!」 「何の。お安い御用だニャ」 「輪も、何かあったら私たちに遠慮なく言いつけるニャ」 「私たちは、輪の味方ニャ」  ほう、と比呂士は感心した。  あの、気まぐれなネコたちの心をつかむとは。  輪もなかなかやるな、と歓声の輪の中に入った。 「ヴェルフェル様は、これ以上近寄ってはいけませんニャ!」 「トリュフが、溶けちゃうニャ!」 「体が冷めるまで、あっちに行っておいて欲しいニャ!」 「私だけ、仲間外れか!」  そんな比呂士が再びリビングへ戻った時、トリュフは無事にラッピングされていた。

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