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第七章・2
増田は、彼らの所属していた部活の後輩だ。
引退する前から、先輩後輩として付き合いがあった。
使い走りから、恐喝まで。
あらゆる手段でいじめていた、格好のオモチャだった。
先輩たちが引退するまでは、と我慢を重ねていた増田だったが、その後もたびたび彼の目の前に現れる3年生に、頭を悩ませていた。
「それで、今もお金を取られたりしてるの?」
「額は少なくなったんだけど……、ジュース奢れとか、アイス奢れとか……」
ううむ、と輪は増田の前で腕を組んだ。
これほど長期に及ぶいじめとは!
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