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第七章・7

(デート、かぁ)  普通は、順序が逆なんじゃないかな、と思う。  なにせ比呂士ときたら突然、『私のものになれ』なのだから。  その日のうちに、身体を求めてきたのだから。 「好きになって、デートして。キスしたりして、そして……」  身も心も結ばれる、といったところが定番のはずだ。  それが比呂士との関係ときたら! 「全部逆だから!」  キスして、セックスして、それからようやく、デート。  え?  じゃあ……。 「デートした後、僕は比呂士先生のことが好きになっちゃうのかな」  かっ、と顔が赤くなった。 「そんなわけ、ないから……」  しかし言葉は、自信なさげだった。

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