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第七章・9

「解った。増田をいじるのは、止める」  放課後、人気のない機器室で輪の言い分を黙って聞いていた3年生は、うなずいた。 「ホントですか!」 (あ~あ~、可愛い笑顔なんか見せちゃって、まぁ)  うん、と答えた後の彼の笑顔は、いやらしかった。 「その代わり、条件がある」 「条件」  何だろう、と輪は首を傾げた。  比呂士と言い、この3年生と言い、最近は物事に条件を付けるのが流行っているのか。 「ヤらせろ」 「え」 「俺と、エッチしろ、ってことだよ。良い子ちゃん」

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