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第七章・20

「お、願い。少し。少し、休ませ、てぇ……ッ」  4人分の精を何度も飲まされ、腹の内にも散々注がれ、輪はぐったりと力を失くしていた。 「喋る余裕があったら、舐めろよ!」 「おい、今度二本差ししてみねえか?」  下卑た少年たちの声は、まだまだ元気だ。  もう、ダメ。  そう思った時、ふと視線を感じた。  ネコが、ドアの隙間からこちらを伺っている。 (なぜ、校内にネコが……)  そこまで考え、輪は目を見開いた。 (比呂士先生の、使い魔のネコさん!)  ネコの思念が、輪の頭になだれ込んできた。 『大変だニャ! 早くヴェルフェル様に知らせるニャ!』 『やめてください! 比呂士先生には、黙ってて!』  あの人に、僕のこんな姿を見られたくない!  しかし比呂士は、急に尖ったネコの思考を確実にとらえていた。

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