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第七章・22
「ヴェルフェル様!」
「ネコ、ご苦労」
夜の学校に忍び込み、比呂士は急いだ。
嫌な予感がする。
暗い廊下をつまずきもせず、迷いもせずに機器室へ飛び込んだ。
見たのは、最も見たくない光景だった。
輪に群がり、盛る4人の少年たち。
口に咥えさせて腰をやる者。
一人の輪に、二人で捻じ込み無理に抽挿をしながら笑う者。
そんな姿を眺めながら、自慰に耽る者。
「ん、ぅう。ぅぐッ! うッ、うぅッ、んんぅ!」
薄汚い人間どもに穢される輪は、比呂士に気づくと必死で思念を送って来た。
『お願い……、見ないで。僕を、見ないで……』
比呂士の眼が、カッと見開かれた。
途端に、輪の身体にまとわりついていた重い汚れが軽くなった。
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