111 / 159

第七章・26

「おかしいな。何だか頭がぼんやりします」 「シャワーでも浴びて、さっぱりして来い」  はい、と輪は素直にバスルームへ向かった。  その後ろ姿に、ネコが小声で囁いた。 「ヴェルフェル様、時間を勝手に巻き戻してもいいのかニャ?」 「4人をアメーバのまま、魔界へ放り出してもよかったのかニャ?」 「輪の記憶を操作しても、構わないのかニャ?」  いいんだ、と比呂士は椅子にふんぞり返った。 「私の輪を穢した罪は、地球より重い。あいつらは、元から人間界には居なかったことにしてやった。輪廻転生することもなく、永劫に魔界でアメーバのままだ」  厳しいニャ~、とネコたちは、恐々と夕食の後片付けに入った。

ともだちにシェアしよう!