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第八章・4

「外食は、私からのお返しだ」 「え?」 「バレンタインデーに、私もお前にトリュフを貰っただろう。その、お返しだ」  美味しかったぞ、あのトリュフ。  輪の顔が、ぱあっと晴れた。 「ありがとうございます!」  それから、これも。  比呂士は、輪に小箱を渡した。  開けてみると、中には指輪が入っていた。 「すごい……」  繊細な透かし彫りの入った、由緒ありそうな指輪だ。  小さいが、純度の高い石が数個はめられて煌めいている。 「我が一族に伝わる宝具の一つだ」

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