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第八章・10
「出すぞ、いいか?」
「んんうッ!」
どぷり、と比呂士から輪の中へ精が注がれた。
「ん、ぐぅ! っふ!」
「慌てるな。ゆっくり飲め」
閉じた瞼の長い睫毛を震わせて、輪は口いっぱいの種を少しずつ飲んでいった。
甘くて苦い、比呂士先生の体液。
「……ん、くぅ。んっ、ぅん、ん……」
「上手だ。いい子だな」
やがて全てを飲み干し、輪は口の端に残ったものも、ぺろりと舐めた。
そして。
「あ……」
自分も達して吐いてしまっていることに、今気が付いた。
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