122 / 159

第八章・10

「出すぞ、いいか?」 「んんうッ!」  どぷり、と比呂士から輪の中へ精が注がれた。 「ん、ぐぅ! っふ!」 「慌てるな。ゆっくり飲め」  閉じた瞼の長い睫毛を震わせて、輪は口いっぱいの種を少しずつ飲んでいった。  甘くて苦い、比呂士先生の体液。 「……ん、くぅ。んっ、ぅん、ん……」 「上手だ。いい子だな」  やがて全てを飲み干し、輪は口の端に残ったものも、ぺろりと舐めた。  そして。 「あ……」  自分も達して吐いてしまっていることに、今気が付いた。

ともだちにシェアしよう!