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第九章・6
「ひとまず、お前の言葉は全て天界の議会に掛けられる。沙汰があるまで、引き続きヴェルフェルの傍で様子を見るがいい」
「はい……」
それだけ言うと、巡視官は立ち上がり去って行った。
輪は、からからに乾いた喉に、カフェラテを流し込んだ。
「比呂士先生」
ぽつりと、愛する者の名をつぶやいた。
僕、どうなるんだろう。
悪魔と交わった罪で、天使にはなれないかもしれない。
それより、天界が比呂士先生にどんな行動を起こすかが心配だ。
「討伐隊なんか、出なきゃいいけど……」
春霞が、輪の心にもやを立ちこませ始めた。
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