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第十章・3

「先生、おめかしして何処へ行くんです?」  ワンランク上のスーツでドレスアップした比呂士を見て、輪はからかうような声をかけた。 「天界へ、行ってくる」 「ええっ!」  悪魔が、天界へ!? 「先生、ダメです! 門番に、攻撃されます!」  それには笑って比呂士は、大丈夫だ、と言う。 「低級な悪魔ではそうかもしれんが、私の場合は下手に攻撃すると厄介なのでな」 「でも!」  心配するな、と比呂士は輪の額に口づけた。 「ちょっと様子を見て来るだけだ。すぐに帰る」

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