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第十章・6
「第三の門を守護する天使たちは、みんな不勉強だな」
「どうしてですか?」
「私に対する敵意が、びしびし伝わってくる」
「天使が悪魔に敵対するのは、普通ですよ」
「なら、お前はどうなんだ?」
「あれ?」
困った顔の輪に微笑むと、比呂士は一歩、また一歩と門へ近づいた。
おろおろするのは、門の守護を任されている天使たちだ。
「警告する! これ以上近づくと、攻撃を開始する!」
「人質の天使候補生を置いて、早急に魔界へ立ち去れ!」
言葉ばかりは、威勢がいい。
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