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第十章・8
「罰を受けるがいい」
ひらめかせたマヌエルフの手から、消去光が放たれた。
光は迷わず、一瞬の間に輪の元で輝いた。
「あ……」
輪は、比呂士の言葉を思い出していた。
『天使候補生は、天界の教えに背くことを仕出かせば、消される』
『シャボン玉のように、すっかり消えてなくなるんだ』
僕、消えちゃうの?
シャボン玉みたいに、ぱちん、って。
だが次の瞬間、輪はマヌエルフの消去光を完全に中和して消してしまった。
「何ッ!?」
マヌエルフが眼を見張ると、輪の指に光る指輪が妖しい煌めきを放っている。
「指輪が、さっそく役に立ったな」
「比呂士先生!」
比呂士は悠然と笑い、マヌエルフを挑発し始めた。
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