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第十一章・2

「くだらん話を、一体誰に聞いた?」 「君の秘書に訊ねると、何でも答えてくれたよ」  比呂士のこめかみに、筋が入った。  ピキの奴め!  魔界に帰ったら、お仕置きだ!  輪の表情に、アウレリオはにこやかにお喋りした。 「ヴェルフェルは羽フェチでね。古今東西、美しい羽を持つ生き物を標本にして楽しんでいるんだよ」 「それ以上、喋るな!」  慌てる比呂士を置いて、アウレリオは最後まで暴露してしまった。 「リン、君もその標本の一体になる予定だ」  輪は、頭を殴られたような気がした。

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