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第十一章・5
「男神となるリンは、ベルミリオ様の生まれ変わりとして、同じく愛を司る女神・ヴィヴィアーニ様との間に、御子を設けられる予定だ」
そして、その御子が人間界に降り立ち、ヒトの間に愛をもたらす救世主となられる。
「自分のことが、把握できたかね? リン」
輪は、ただ立ち尽くすだけだった。
そんな。
僕はただ、天使候補生として自分のクラスからいじめをなくす事に一生懸命なだけな、小さな存在で。
「それこそが、愛の神・ベルミリオ様の生まれ変わりの証ともいえよう。悪魔と契約を交わしてまでヒトを救おうとする心根は、並みの天使ではありえない」
輪の、比呂士を握る手の力が、ふと緩んだ。
その手を、今度は比呂士が強く握りしめた。
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