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第十一章・6

「どんな御託を並べられようが、答えはノーだ。天界や人間界の都合は、魔界の眷属である私には無関係」  何があっても、輪は渡さない。 「そうだな、輪」  でも、と輪は比呂士を見た。 「僕が男神となって救世主を生み出せば、人間界からいじめや争いはなくなるんでしょう?」 「それは可能性の一方向にすぎん。それに輪、お前は私以外の存在とセックスできるか?」  は、とたちまち真っ赤になってしまう輪だ。  比呂士は、アウレリオに向けて、指をさした。 「こちらの都合では、輪は今後1年間人間界で暮らし、高校卒業後は魔界で私と楽しく過ごす事になっている」  誰にも邪魔はさせん。  比呂士の眼は、火を噴くようにぎらぎらと輝いていた。

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