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第十一章・7

「天界の軍勢が、リンを取り戻しに魔界へなだれ込むかもしれんぞ?」 「来るなら、来い。こちらにも精鋭部隊は揃っている」 「戦いの神・アルフォンソ様が直々に指揮をとられるかもしれんぞ?」 「相手にとって不足なし。このヴェルフェルとの一騎打ちをぜひ望む」  ああ言えば、こう言う。  アウレリオは、溜息をついた。 「君の気持ちは、よく解った。だが、肝心の本人は。リンの意思は、どうなんだ?」  いや、聞くまでもないか。  輪の手は、比呂士の手をしっかり握っているのだから。

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