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第7話

 チカにはまだ告げていないが、ハルは普通の人間ではなく、この世界では神と呼ばれている種族だ。  神とは……人と同じ形をしているが、人は持たない能力を有している一族で、手を使わずに大きな物を動かしたり、空を飛んだりすることができる。他にもさまざまな能力があるが、それをみだりに使うことは固く禁じられていた。  神の役目は自分に割り当てられた領土を見守り、時には人々を助けることだ。  これは、各地方に点在している神々を統べる存在であり、神々の祖であるとされている初代太陽神ナユタが、その昔……人間とある契約を結んだからだと言われている。  互いに利害の一致があるから、人と神とは長きにわたり良い関係を保っていた。  神は、性行為をまだしたことのない人間の女性から産まれてくると決まっている。寿命は人より遙かに長く、その地域から神が消えるとまた神の子がどこかで産まれた。  その特性は、一年ほどで成人し、消えるときまで容姿がほどんど変わらぬことと、十六歳を過ぎたころから発情が月に一週間ほど訪れることだ。  今現在、ハルの年齢は二十五で、チカについては分からないけれど、まだ十代だと思われた。チカは、七年ほど前からハルと暮らしている。  最初こそ、まるでなつかないチカに苛立ち、困り果てていたハルだったが、今ではチカを家族にしてよかったと……心の底から思っていた。

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