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第21話

 それ以外にも、言葉や文字を教えたり、花の名前を一緒に調べたり……身体を重ねることについては、知識が全く無いとはいえ、羞恥を感じていたようだった。だが、それも快楽を植え付けるうちに自然と受け入れるようになった。  この気持ちに付ける名前が家族以外に思いつかない。大切で、愛しくて、ただ側にいるだけで心がいつも温かくなった。 「どこにも行かせない」  キスで小さな唇を塞ぎ、薄く開いた歯の隙間から舌を口内へと挿し入れる。ねっとりと上顎を舐め、同時に胸の尖りを摘むと、悦ぶように薄い体がヒクッヒクッと揺れ動いた。 *** 「あっ……うぅっ」  内臓がせり上がる感覚に、深い闇へと沈んだ意識は突如現実へ引き戻される。 「目が覚めた?」  薄く開いた瞼の先に微笑むハルの顔が見えたから、無意識のうちにチカも唇を綻ばせた。  ずっと、怖い夢を見ていた気がする。 「ハル、アッ! ちょっ……止まって」  状況から、後孔を満たしているのはハルの性器だと分かったが、こんな状態に陥っている理由はまるで分からないから、チカは彼へと制止を求めた。  だが、ハルには止めるつもりは無いらしく、一旦引かれた彼のペニスは、次の瞬間最奥まで打ち付けられる。 「ヒッ……ああっ!」  仰向けで、両方の脚を顔の横へと抑え込まれてしまっているから、彼が動くたび自分の性器が揺れる様子が見えてしまう。  それが恥ずかしく、顔を掌で隠そうとするが、どういう訳か自由なはずの腕がピクリとも動かなくなった。 「ハル、手が……うごかな……んぅっ」  それを伝えたくて開いた口は、彼の唇に塞がれる。甘く啄むような優しいキスに、チカは身体を朱く染め、強請るように舌を差し出すと、その舌先を軽く噛んでから、唇はスッと離れていった。 「ん……ハル、くるし……」  激しさを増す律動に喘ぎチカが必死に訴えかければ、片手を脚から離したハルが胸の尖りを指で弾く。 「あんっ」 「チカ、可愛い」  乳輪から先端までを搾るように指で揉まれ、そこから生まれる鋭い愉悦にチカが身体を震わせると、同時に腹の深い場所へと熱い液体が注ぎ込まれた。

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