18 / 36
7※
ハッとしたリュカは慌てたように自分が開けた扉を閉じる。
だが瞬間に、脳髄に染み渡り揺さぶられるような甘い匂いが部屋一帯に充満しリュカの理性を焼き切っていく。
「…は、……っん…ぁ…」
目の前では蹲るようにして時々濡れた声を漏らすロイランド。知らず知らずのうちに飲み込んだ唾が、ごくりと大きな音を立て部屋に響き渡ったのではないかと錯覚すらする。
このままではいけない。そう思うも、動くことが出来なかったリュカは、ロイランドの溶けた瞳と視線が交わった瞬間、その愛しい人の体を押し倒していた。
「…てめぇ…っ!何勝手に、…は、乗りあがって…やが、る」
こちらを睨みつけるロイランドは先程顔を合わせていた彼と同人物だとは思えぬほどに口調が荒れていて、その表情も険しい。だが今のリュカにそんなことを気にする余裕などあるわけもなく、その赤く濡れそぼった唇に己のものを重ね合わせた。
「…ん!…っ、ふ、ん……っ」
「……っ…ん」
「…んん、ん…ぅ、ん…ゃ、め…あっ…!」
固く閉ざされた唇をこじ開けるようにして貪るリュカ。まるでロイランドの唇をまるごと食べてしまうかのような口付けに、ロイランドは抵抗をしようと口を開くが、それは返ってリュカの舌を受け入れてしまい、ロイランドの舌は呆気なく捕まってしまう。
息付く暇もなく絡められる舌に、飲み込みきれなかった唾液が頬をつたいシーツに落ちる。時折耳につく水音が耳を犯しロイランドは羞恥で顔を真っ赤にした。
早く終わってくれ。そんなロイランドの気持ちとは裏腹に身体はどんどんその快楽を享受していき腹の奥が疼く。ロイランドは無意識のうちに己の腰をリュカに擦り付けていた。
「…はぁ、…ロイランド様…」
「は…は、…ぐッ……ぁああ゙…っ!?」
漸く離れた唇にロイランドは酸素を取り入れるようにして息をする。だがそう落ち着く暇もなく、ロイランドの身体はすぐさま快楽へと突き落とされた。
「すごいな…もうこんなに濡れている…」
「…っ!やめ…っはぅ、ああ、!」
いつの間に脱がされたのか、ロイランドの下半身は一糸まとわぬ姿と成り果てていた。既にロイランドのものは緩やかにたちあがっており、誘うように糸を引いている。
ロイランドが静止するよりも先に、リュカは躊躇いなくそれに触れ先を握るようにして擦り上げた。同じ男故かどうすれば良いのかを心得たかのように強弱をつけて快楽をうながすリュカに、ロイランドは抗えるはずもなく腰を震わせ、耐えることのできない嬌声をあげる。
イく。そう思ったロイランドは、突然奥の更に濡れそぼった場所へと触れられ硬直した。
「や、やめっ…〜っぁ、あ…っ」
しかし当然ロイランドの言葉がリュカに届くはずもなく、くるりと円周を描いたリュカの指は呆気なく中へと埋め込まれた。
指一本。だが慣れないロイランドはその違和感に息を詰めたような声をだす。しかし拡張するように動く指に、ロイランドの身体は勝手に快楽を拾ってしまう。
一本、二本。徐々に増えていく指に為す術なく翻弄されていたロイランドの身体は、中のある一点を押し込まれた瞬間にびくりと跳ね上がった。
「っあ、ぁあ、…っ!?…ぁ…〜!」
突然訪れた、今までとは比べ物にならない快楽にロイランドは驚いたように目を見開く。だがリュカはそんなロイランドを見つめては満足そうにその目を細め、さらに責めたてるようにして中を掻き混ぜる。
まるで揉みほぐすように押し潰したり捏ねたり擽ったり、時には指二本をつかって揺さぶられるその度に、ロイランドの白い肌がビクビクと震える。
「ん゙ッンぁ゙あ゙…っは、あ゙ぁ、っんぐ…ッ」
ロイランドは咄嗟に漏れ出そうになる矯正を抑えるように、自身の両手で口を塞ぐ。だが到底そんなもので抑えられるわけもなく、ロイランドの口端からは飲みきれない唾液が滴り落ちていた。
指はあっという間に三本へと増えていて、尚もロイランドの中を責め立てる。時々思い出したかのようにリュカがロイランドの胸もとへと口付ける度、ロイランドは中を締め付けか細く鳴いた。
もはやロイランドの周囲はロイランドの出す愛液でびちゃびちゃになっていた。
「は、は、ぁ、…ぁ」
「…一度出してしまいましょう」
「…ゃめ、っ!」
にこりと。汗を垂らし息を荒くしたリュカが微笑む。その表情にぞくりと背を震わせたロイランドが、その手を止めるように腕を伸ばすが、リュカはお構い無しと言わんばかりに先程までとは違う、突き立てるように激しくロイランドの中を揺さぶった。
「んぁッぁ、ああ゙あ゙ッ、っ!…〜ぁ?!ぁあ゙ッ、!!」
ビクビクとロイランドの身体が跳ねる。だがリュカは快楽を逃がすことなど許さないと言わんばかりにその身体を上から押さえつけた。当然、そんなことをされたロイランドは上手く他所へと流すことが出来ず「は、っぁ、ッん」と鳴きながら身体をビクつかせた。
未だふるえるロイランドの中からずるりと指を抜けば、まるで惜しむようにロイランドの穴がヒクヒクと収縮する。
美しいロイランドが快楽に流される様をリュカは愛おしげに見つめ、その刺激の強さに目眩までした。
「ロイランド様…」
「やめろ…ッ!」
「ロイランド様…」
リュカは息荒くロイランドの耳へと囁く。たったそれだけで肩を震わせたロイランドに微笑み、そうして先程からズキズキと主張をする己を取り出し、魅惑的に誘うその秘所へと押し付けた。
ともだちにシェアしよう!