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第3話
月曜日の朝は、いつもより賑やかな気がする。
一週間の疲れをリフレッシュさせて、楽しく過ごした休日の話などで盛り上がるからだろう。
そんな賑やかな教室で、巽は廉の登校を今か今かと待っていた。
日曜に、廉を偶然見かけたことを思い切って話そうと考えていた。
勇気を出して、一歩踏み出そうと思っていた。
(これで、北園くんとの距離が少しでも縮まるなら!)
「おはよ~」
(き、来たッ!)
寝ぼけたような声で教室に入って来た、廉。
自分の席へ直行し、鞄を机に置く姿。
巽は、彼の周囲に人垣ができる前にすばやく近づいて行った。
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