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第30話
「ね、巽。これからも一緒に居てくれる? 一緒に『いのうえ』に行ってくれる?」
「当たり前だろ」
二人で、コーヒー味のキスをした。
「俺もさ、コーヒー淹れる練習してみるよ」
「本当? そしたら、僕いろいろ教えてあげる」
「ありがと」
「うん」
コーヒーを飲み終えた二人は、ケーキを焼いてみた。
『いのうえ』で、一緒に食べたチーズケーキ。
あの味も、再現できるようになりたかった。
「道は遠いな」
「まだまだだね」
そんな風に、微笑みながら少し焦げたケーキを食べた。
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